ご自身やご家族の将来が不安になったとき

 

後見の開始には二通りがあります
1 未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行うものが管理権を有しないとき
2 後見開始の審判があったとき

 

1の「未成年者に対して親権を行う者がないとき」の場合、最後に親権を行う者(通常は父母や祖父母)は遺言で後見人を指定することができます。

 

 もしも、後見人の指定がないまま、親権者が死亡した場合は、未成年者であるお子さん本人や親族の請求によって家庭裁判所が未成年後見人の選任を行い、後見(保護してもらう)が開始されます。しかし、お子さんの財産管理の責任を求められる後見人の選任は、慎重に行わなければならず、時として親族間の紛争にもなりかねません。ご自身の信頼のおける人物を最初から後見人に指定すし、未成年者のお子さんの将来を安定させるためにも、遺言書の作成は必要です。

 

2の「後見開始の審判があったとき」は、一般的に高齢や病気により認知機能が著しく低下し、ご自身で物事の判断をすることが難しくなった場合に、ご本人の親族の請求により家庭裁判所が成年後見人の選任を行い、成年後見が開始(保護してもらう)されることを意味します。

 

 1の未成年者の場合と同様、家庭裁判所が成年後見人の選任を行うため、ご本人(被後見人)が自分の後見をしてほしい家族が、必ずしも選任されるとは限りません。後見開始時にはご本人(被後見人)はすでに認知機能が低下している状態ですので、ご本人のお気持ちも確認することは難しいのです。

 

上記2つを法定後見といいます。

 

 この法定後見は、ご本人認知知能の低下などで物事の正常な判断ができなくなった後から利用開始される制度です。
 ご自身の後見をしてほしい人を成年後見人に指定するためには、お元気なうちに、自分の信頼する人物との間に、任意後見契約を結ぶことが必要です。

 

任意後見契約とは

 

任意後見契約
任意後見契約とは、契約の一つで、委任者(ご本人)がお元気なうちに、受任者(ご本人が信頼できる人)に対し、将来認知症などで自分の判断能力が低下した場合に、後見人として、ご本人の財産管理や必要な契約締結をしてもらうことを委任(約束)する契約です。
この受任者は、ご家族を指定することもできますし、お友達を指定することもできます。また、弁護士・司法書士・行政書士といった専門職や社会福法人などの法人も指定することができます。
後見契約は、契約自由の原則により、委任者(ご本人)と、受任者(ご本人が信頼できる人)の合意により、法律的にみて違法・無効な内容を除き、自由にその内容を決めることができます

 

 

任意後見契約は、法律で定める様式の公正証書によってしなければなりません
(任意後見契約に関する法律第3条)

 

当事務所では、任意後見契約書の起案・作成のお手伝いを積極的に行っております。
また、ご本人の周りに任意後見契約をお願いできる人がいない場合には、後見契約の受任者として、長期間にわたるご依頼主様のサポートを行っております。

 

終活のご相談は当事務所へ

 

 

終活相談を承ります
気力・体力が充実しているうちに、ご自身の終活をはじめましょう。 
日本は超高齢化社会を迎えています。厚生労働省の公表する「簡易生命表」によると、令和3年の日本の平均寿命は、やや下がったものの、女性が87・57歳、男性が81・47歳です。
長寿は喜ばしいことではありますが、すべての高齢者が健康なまま寿命を迎えるわけではありません。
そして、ご自身の「老い」と向き合う時間が長くなることも意味します。

 

「自分の認知機能が低下して判断能力が弱くなった時は、誰に助けてもらえばいいのか」
「寝たきりになったときに、延命治療はどうしてほしいか」
「残された妻・夫はどうやって生活すればよいのか」
「葬式やお墓の問題はどうするのか」
そして、それだけでなく、高齢になったご両親の問題も抱えることになります。
実家の片付けに悩まれている方は少なくありません。

 

誰でも気力や体力に自信があると、老後のことなど、まだまだ先の話と考えがちです。
ですが、5年・10年と経過するうちに、気力も体力も徐々に衰え始めます。
ご家族のためにも、終活に向けた準備を始めましょう。

 

当事務所では、遺言書作成・任意後見契約書作成のお手伝い、ライフプランのご提案等により、ご依頼主様の終活に向けたご準備を積極的にサポートしております。

 

墓じまい(改葬)のお手伝い

 
墓石を撤去し、墓所を更地にして使用権を返還すること

 

近年、地方にある先祖代々のお墓を更地にして、永代供養墓や自分たちが管理しやすい場所のお墓に改葬する方が増えています。
ですが、墓じまいには、いろいろな手続きが必要であり、宗教的な価値観の違いや費用の問題で関係者で話し合いが長引くケースも増えています。
困った時には専門家に相談するのも一つの方法です。

 

〜お墓の引っ越しには行政手続きが必要です〜
現在埋葬している市町村役場で埋葬証明書・受け入れ証明書・改葬許可証等の必要書類を発行してもらいます。先祖代々のお墓が遠方にある場合は郵送での請求となります。申請の際には、当該墓地管理者の署名・捺印が必要になり、墓じまいをしようとするお墓が土葬だった場合には、再度火葬が必要になります。

 

〜お寺との調整が必要です〜
今でも地方に行くと檀家制度が残っている場合が多く、墓じまいに消極的なお寺も少なくありません。通常墓石を処分する際には、法要(閉眼供養)を行います。きちんと法要を行ってもらうように、お寺との良好な関係を築く必要があります。「お墓が遠方になってしまい、自分たちも高齢で管理ができない」「独身の自分が死んだあとは、無縁墓になってしまう」といった事情を丁寧に説明し、理解してもらうことが必要です。

 

〜費用〜
・お墓の撤去費用
・閉眼供養(お布施)
・離檀料
・移転先墓地へのお布施や登録料
・遺骨取り出し作業費用
などが必要になります。金額はお寺や墓地によって異なります。お墓の撤去や遺骨の取り出し作業をお願いする場合も、見積もりをきちんと出してくれる、しっかりした業者を選びましょう。

 

死後のお手続きがご心配な方へ

 

死後事務委任契約とは
 委任者(本人)が親族以外の(受任者)に対し、葬儀・火葬・納骨等の葬送、その他本人がなくなった後に必要な諸手続き(各種契約の解除等)を委託する契約

 

 任意後見契約が委任者(ご本人)の死亡までの契約に対して、死後事務委任契約は、委任者(ご本人)の死亡時からの諸手続き(法律行為・準法律行為を含みます)を定めた契約です。近年単身者の増加や、孤独死の増加が指摘されていますが、頼れる親族がいない、いたとしても遠方や海外にいて自分の死後、家の処分や葬儀・納骨の手配など頼める親族がいないといった悩みを抱える方は少なくありません。

 

 遺言書で遺言執行人を指定すれば、不動産や銀行口座の名義変更等の相続手続きはできますが、法定相続人はいるけれども、死亡当日の諸手続き(病院で死亡した際の退院手続きや葬儀会社との打ち合わせなど)を頼めるほど付き合いがない方や、単身者の方は死後事務委任契約も選択肢の一つです。

 

 遺言書と死後事務委任契約は内容が重なることもあります。
例えば、入院費の支払いや、光熱費の支払いといった債務の清算・部屋の片づけといった遺品整理、敷金返還手続きや還付金等の受領は相続財産の管理行為として遺言執行事務にもなりますし、死後事務委任契約の事務管理に当たります。

 

 死後事務委任契約を任意後見契約や成年後見制度、遺言書と上手に組み合わせてご自身の終活を考えましょう。

 
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